櫻茶屋|徳島のカフェ&暮らしのshop

櫻日誌

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small factory ring展

今年初めの企画「small factory ring 展」無事終了いたしました。四国初のご紹介となるスモールファクトリーリング。試してくださった皆さま、こんなの初めて!斬新!と驚いてとても面白がってくださったように思います。
それもそのはず。small factory ringは、ヘッドと呼ばれるリングトップと指輪がネジ式で着せ替え可能、自分オリジナルをその場で作ることができ、着せ替え用にヘッドを購入しておくと、コーディネートに合わせてリングのデザインを変えて身につけることができるのです。
と一口に言ってもピンとこないものですね。
そういうわけで会期中、SNSでたくさんその組み合わせをご紹介しました。
なにしろリングの色は3種類、それぞれ細いのと幅広のタイプがあって、ネジ穴が一つ空いているのと、二つ空いているものがあります。そして、今展に届いたヘッドの種類なんと37種類。こうなると組み合わせはもう無限。
だから選ぶのに迷うし、でもその迷う時間がとても楽しいんですね。

今回の展示は、1階shopでリングの販売を、2階櫻ギャラリーでsmall factory ringデザイナーの田添かおりさんによるジュエリーのアート展を同時開催するという初の試みになる予定でした。田添さんを含め、アート展設営に携わるべく数人の方が関東や関西から来徳される予定だったのです。
ですが緊急事態宣言発令により、往来を自粛したほうが良いのではとお気遣いくださり、当初の予定の「プレスキャット展」開催は断念。
そしてその代わりに、田添さんが2017年にオーストリアで展示したリングデザインの巻物を展示することになったのです(写真上)。この作品は、田添さんがリングデザイナーとしての仕事と現代美術作家としての製作を両立しようとすることでの自身の内面の両立に悩んでいた時期に、その突破口を見つけるきっかけとなったものなのだそうです。
広々とした空間に静かに佇んで、その作品は創造することの喜びと楽しみの光のようなものを放っているように見えました。

small factory ring、またの名を「町工場リング」。それには様々な町工場の技術が生かされています。
始まりは、田添さんのご友人である東京都大田区の町工場を継いで四代目となった方の「大田区の町工場のために何かできないか」という相談からだったそうです。
町工場という男性的なイメージとは真逆のもの、女性的なものを作ってみては。そうして生まれたのがsmall factory ring。
リングの各部品にはひそかにそれぞれの製作所の名前が付けられています。Yazawa、Matsuura、Doi、Tanabe、Wadayama。
様々な工場の特徴がそれぞれの部品に生きている、まさに工業とアートが融合したMade in Japanのプロジェクトなのだなあ、と思うと何だかちょっと感慨深いような気がします。

会期中の2/6〜2/17はとても楽しい時間でした。
コロナ禍にもかかわらず、今日は指輪が一つも売れなかったなあということは一日もなく、どんな組み合わせのリングに出会えるだろうと毎日お店に行くのが楽しみでもありました。
実は私は自分の太短い指が好きではなくて、指輪は買ったことがなかったのです。でもスモールファクトリーリングは身に着けてみたい、そう初めて思った指輪でした。
組み合わせ次第で今の自分にしっくりくるリングは見つかるものです。私も見つけましたよ〜。
small factory ring、細くて長い指じゃなくても平気。
百人百様。
自分の指に素敵にマッチする指輪が見つかる嬉しさをきっと体感していただけると思います。

small factory ringの今期の新作ヘッドは「翡翠」(写真上2つ)。
翡翠(ヒスイ)はそれぞれ色味が違っているので選ぶのも楽しく、またパワーストーンとしても知られていることから、もっとも高額なパーツでしたが、とても人気でした。
何とも魅惑のパーツなんですね〜。

さて、来期はどんな新作が発表されるのでしょうか。
来期も天然石を用いた新作が登場するそうですよ。
とても楽しみです。

そして、来年も「small factory ring展 at 櫻茶屋」開催が決まりました!
来年は4月です。
次回こそは田添さんのインスタレーションも合わせてここ徳島でご覧いただけることを願って。

弊店で2月に開催予定だった「TAZOE/small factory ring”プレスキャット”展」は3/19〜3/30 横浜の「ギャルリー・パリ」にて開催される運びとなったそうです。
press catとは「潰し猫」という意味の田添さんによる造語。妖怪のような存在に見立てた架空の猫を想定して、その猫の仕業としてジュエリーのアート作品を仕込んでいくという、ちょっとにわかには想像もつかないような展示。
その奇抜でユニークな発想には何とも心惹かれるものがあります。どんなふうなんだろう、という好奇心がうずきますね。
お近くの方、ぜひ足をお運びくださいませ。

寒い日、暖かな日を繰り返して少しずつ春がやってくるように、少しでも早く、世界に本当の春がやってくるといいのになあと思います。
我慢も大事ですけど、気分転換だって必要です。
来たる4月には2階櫻ギャラリーにて、今注目のトライバルラグの展示を開催いたします。
どうぞお楽しみに。

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