愛おしい灯々から
「愛おしい灯々」 中村秀利(灯り)+柳本史(木版画)二人展。
2020年最後の展示、それはずっと温めてきた大切な企画でした。
その美しいシルエットに惚れ込んだ中村さんの灯りと、見る人をふと懐かしい郷愁の世界へと誘い、温かな気持ちを思い起こさせてくれる柳本さんの版画を合わせたら、どんなに素敵だろう。
そんな妄想から始まった企画でした。
そして私どもにとって、思い描いた想像を形にするという初めての展示でもありました。
この企画が決まったときはまだコロナウイルスなんて言葉は聞いたことがありませんでした。
でもあっという間に広まって、2020年は新型コロナウイルスの脅威に脅かされる年となりました。
ニュースを見ると不安な気持ちになるばかり。
自由な往来ははばかられるようになり、生活スタイルも一変しました。
だけどこんな今だからこそ、お二人の作品の力を借りて、心温まる景色を作りたい、そう強く願うようになったのだと思います。
本当に大切なものは変わらない。
変わらずそこにある。
たとえその有り様が変わったとしても、ずっとそこにあって守ることができる、そう信じたいなあと思うのです。
なんのこっちゃ、という感じではありますが、本展示を通して伝えたかったものがあるとすれば、そういうことなのかなあと今改めて思います。
「愛おしい灯々」から愛おしい日々へ。
こうして展示風景の画像を見ていると、懐かしく思う気持ちがこみあげてきます。
中村さん、柳本さん、お二人の素晴らしい作品のおかげで、店内は温かで美しい空気と光に包まれた空間となり、お越しくださったたくさんの方々に喜んでいただけたように思います。
中村秀利さん、柳本史さん、ありがとうございます。
協賛してくださった、おやつやゆかさん、confetti candleさん、hanon田村優子さん、ありがとうございます。
展示の案内の撮影、このページの写真を撮ってくれた写真家のあえかさん、ありがとうございます。
そしてお越しくださったお客様、SNSで観てくださったお客様、心より感謝申し上げます。
またいつか温かなものをお届けできるような展示をしたいなあと思います。
そして、来年2021年、どんな年になるのかもう想像できませんが、人の暮らしの営みを大切にするべく、思いを込めてひとつひとつの展示を開催させていただきたいと思います。
企画展のスタートは2月のsmall factory ring 展です。
東京都大田区の町工場の技術とアーティスト田添かおりさんデザインのコラボで生まれる全く稀有なスタイルのリング。
ねじ式で構成されたリングと、装飾となるヘッドパーツを自由に組み合わせることで完成する自分だけのリングは、パーツを替えることで着せ替えだって可能です。
無茶苦茶楽しいです。
きっとどれを組み合わせようか悩みます。
そして悩む時間はやっぱり楽しいだろうなあと思います。
今展示では、リングのパーツ1個からご購入いただける販売会と、デザイナー田添かおりさんのジュエリーをテーマとしたアート展を、1階のshopスペースと2階の櫻ギャラリーで同時開催するという、初の試みにチャレンジします。
たとえどのような状況になったとしても、毎日の暮らしを、生きていく日々を楽しむ気持ちを忘れたくないなあって思います。
諸々の対策はきちんとしつつ、そんな気持ちで楽しい企画をお届けできる年になりますように。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。