伊藤丈浩/伊藤叔潔 展
2024.9/28-10/9に開催したのは二人の作家の器展。
ともに益子で作陶されている伊藤丈浩さん、伊藤叔潔さん、二人の伊藤さんによるW伊藤展でした。
全然違う作風のそれぞれの伊藤さんの器。
私はそんなお二人の器の愛用者です。
もともとはシンプルな器を好み、シンプルな器であればツルツルしたのから、マットな質感、ざらっとした乾いた質感のものまで、もうたくさん持っています。やっぱりシンプルな器はなんと言っても使いやすい。
けれどだんだんそういう器で食器棚が満たされてゆくと、個性的なのがあってもいいんじゃない、楽しいんじゃない?という心持ちになってゆくのですね。というかなっていきました。
というわけで我が家の食器棚はシンプルな器の中に個性的な器も入り混じり、なかなか賑わしい雰囲気です。
そういう観点からすると、丈浩さんの器は個性的、叔潔さんの器はシンプル。
そんなお二人の器が一緒に食卓に並んでも、全然違和感がなくて、むしろとても良い感じ。そんな食卓の様子を見て、丈浩さんと叔潔さんの二人の器の展示をしたい、と思いました。
丈浩さんの器でもっとも代表的と言えるのがソーダ釉のマグカップ、ではないでしょうか。一際ゴージャスなフォルムのマグカップなのですが、そこには民藝の美がしっかりと宿っていて、そこが何とも魅力的なのです。
お客様のなかで丈浩さんのこのカップを職場で使っていらっしゃるという方がおりました。上司から「おまえ、貴族か?」と言われたそうです。その話を聞いて、ああなるほど!と思いました。貴族のカップは言い得て妙です。それからは私たちスタッフの間でも貴族のカップと呼ばれるようになった丈浩さんのマグカップ。今では私の毎朝のコーヒー時間に欠かせないカップとなっています。とても特別感のあるフォルムのカップなのですが、程よい重さで安定感があって、コーヒーが冷めにくく、とても使いやすいのです。
今展にはそのソーダ釉のカップのほかに、丈浩さんならではの器がたくさんやってきました。スリップウェア、軟陶白釉、そして自ら名付けたというトランスウェア。どれもそれぞれ魅力的で、アーティスティックで美しい器たちです。
叔潔さんとは櫻茶屋が2019年にリニューアルオープンしたときからのお付き合い。どんな食卓にも馴染みやすいカラーと、シンプルでバランスの良い美しいフォルムの器は今も変わらず人気で、入荷すると徐々に旅立ってゆきます。今展では今まで常設では並ばなかったタイプの器もたくさん届きました。叔潔さんの器はシンプルと言えど、一枚一枚釉薬の表情が違います。そこが見どころ、選び甲斐、というような気がしています。和にも洋にもなじむ器、というところも永遠の定番と言えると思います。
オンラインショップにも再掲載しています。
ずっと使い続けたいお二人の器です。