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櫻日誌

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今日という佳き日に/一泉堂個展

2024年2月開催の一泉堂個展「今日という佳き日に」
昨年に引き続き今年で2度目の一泉堂個展。
2023年は装身具のみの展示でしたが、今年は新たに一泉堂の原点である手彫り印章、そして生まれたてのブランド-生活道具「弄月」ろうげつ-を迎えての開催となりました。

アクセサリーはクラシカルなデザインが魅力的な水牛の装身具「ISSEN」と、自由な発想から生まれる金属の装身具「niu.」と、全く異なる雰囲気の2つの種類のものが並ぶので、どちらの雰囲気もお好きな方はいつもとても悩まれます。
アクセサリーっていくつあっても良いものですものね。

経年変化して渋い風合いになったかのような仕上げが素敵な弄月の作品にはお花屋さんに生け込みをお願いしました。雰囲気にぴったりだったり、「おっ、それも面白いですね」というお花を設えてもらって、店内はいつもとちょっと違う世界観が出て良い展示になったなあと思います。

初日とその翌日は、静岡の沼津から一泉堂の辻村ご夫妻が在店くださいました。私たちもお客様も直接いろいろなお話をお伺いすることができて、一泉堂の魅力をより深く知ることができたように思います。

一泉堂は大正十年から続く印章店。
彫刻機械などを一切使用せず、熟練の技を持つ一級印章彫刻技能士が全ての工程を手作業のみで仕上げる全国的にも希少な完全手彫り印章を手がけるお店です。その4代目を襲名した辻村岳年さんによって新しい印章が生まれました。
それが一泉堂が創業した大正時代に街を照らしていたガス灯の意匠を取り入れたという印章シリーズ「佳宵の燈 -かしょうのあかし -」です。
見たことのないシックでエレガントな佇まいの印章に立ち止まられる方も多く、以前からご存知なところこの機会にとご注文くださった方や、衝動的にご注文くださった方もいらっしゃり、なんともありがたい時間でした。
私も実は以前から何となくずっと気になっていたものでしたから、「よしっ」という思いで二人の息子の印章を作ってもらうことにしました。
私も持ちたいくらいですが、まあとりあえず今後必要な機会が多く訪れるだろう息子用に。その場で注文して下書きを作っていただいて、疑問に思うことをお伺いして、ではではとちょっと修正していただいて、可愛いというか、なかなか風流でしっくりくる字体に決まりました。
こんな段取りで印鑑を作ることは初めてで新鮮な体験。
仕上がってくるのは4月中旬になりますが、なんとも楽しみです。
印章って必要?という議論もなくはないですが、これはある意味日本の文化であり、非常に細かい作業の熟練の技術を必要とする完全手彫り印章は日本が誇る伝統技術なのだなあと今回改めて認識しました。
私は実印にと求めましたが、辻村さんのお話を伺っていて、もっと自由に使うことのできる自分印にもいいんじゃないかと思いました。アルファベットやカタカナの文字の自体の見本も実にチャーミングだったので。
絵手紙なんかに使うのにも素敵だなあと思いましたよ。
またいつか佳き日に櫻茶屋で受注会を開催できますように。

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